修了式・卒業式が挙行されました 3月19日(火) ・ 教育後援会長祝辞
修了・卒業おめでとうございます。
専攻科修了生25名
本科卒業生187名
教育後援会主催の祝賀では記念写真撮影後に
教育後援会長より記念品の贈呈が行われました。
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令和5年度
豊田工業高等専門学校 修了式・卒業式 祝辞
豊田工業高等専門学校 卒業式 祝辞
修了生・卒業生の皆さん、本日は誠におめでとうございます。そしてご臨席の保護者の皆様に、心よりお祝い申し上げます。また、校長先生をはじめ、豊田工業高等専門学校の教職員の皆様、これまでのご指導に対し、深く感謝申し上げます。
修了生・卒業生の皆さん、豊田高専での学びはいかがだったでしょうか。勉学に集中した方、課外活動を頑張った方、海外に留学して異文化に触れた方、等々、様々な経験ができたものと思います。皆さんは、豊田高専で技術力と知力を培い、色んな経験を積み重ねたと同時に、とても大切な友人に巡り会えたと思います。友人は、今後の皆さんの人生において、とてもかけがえのない宝です。勉学や部活動を通して友人と切磋琢磨した経験と今後の交流は、皆さんのこれからの人生に「温もり」と「癒やし」を与えてくれるでしょう。
・・・・・(アドリブ)・・・・・
この四月から、皆さんは様々な進路に分かれ、新たな環境に身を置くことになります。私は、皆さんの倍以上の年月を生きてきた人間です。本日は、そのような「ひとり」の人間が到達した結論と、皆さんへのお願いを、手短にお伝えしたいと思います。
先ず(一点目は)、人生において最も重要な「力」は「個性」と「人間力」だということです。それでは、「人間力」とは何か。人によって定義は様々です。私は、「人間力」とは、「まじめさ」や「勤勉さ」はもちろんのこと、「柔軟さ」や「コミュニケーション能力」であると思います。特に、他人への「共感」はとても重要で、現段階では、生成AIに共感する能力はありません。「コミュニケーション能力」の重要性については、ありきたりのことと思われるかもしれませんが、五十年程度生きてきた人間が到達した「結論」です。
次に二点目です。これからの人生、おそらく何度か、とてもつらいことや困難に立ち向かう時が必ず訪れます。しかし、そんな時、人を恨んだり、妬んだりしないでください。今、世界の何ヶ所かで国家間の争いが生じてしまっています。それらは歴史的な因縁や、民族間の恨み辛みが原因になっています。とても悲しいことではありますが、国家間はともかく、個々人は、お互い腹を割って話し合い、和解することができます。本音を言うとさらに恨み辛みが増してしまうかもしれません。しかし、そんな時には是非、相手への思いやりを忘れないでください。
「和を以て貴しと為す」。儒教が日本に伝来し、七世紀始めに聖徳太子が定めた十七条憲法の第一条としても記載されている有名な言葉です。この言葉の通り、お互い信頼関係を築いていくことが大切です。
最後に三点目です。技術立国である我が国を、そして国際社会を、果敢に支え、動かしていってください。「自分がやらなくとも誰かが行動してくれるだろう」と、決して思わないでください。もちろん、とてもつらい時には人に頼ることも必要です。しかしその分、周りの人が悩み、つらい思いをしている時には、柔軟に、その人を助けてあげてください。
以上、とても当たり前のことをお話ししましたが、この三点をもって、お祝いの言葉とさせて頂きます。
本日は誠におめでとうございます。
令和六年三月十九日
豊田工業高専高等専門学校 教育後援会
会長 檜山哲哉